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RESEARCH-114〜117軸打ち止め棄却 — REJECTED

歪みは見えた。しかしコストとValの先には残らなかった

ボラティリティ拡張の継続・CUSUM構造変化点・合成USDファクター——レジーム遷移という探索空白を4研究で掘りました。IS段階では分布の歪みが確かに見えるのに、コスト控除後やValで消滅する。価格から作ったプロキシは、結局「価格=効率の壁」を越えられない——この結論が、非価格データ取得という次の一手を決めました。

対象 FXメジャー(EURUSD/GBPUSD/USDJPY) ボラ遷移・CUSUM・USDプロキシ死因 Val逆符号・テール駆動・No Edge検証 4研究 / OOS封印維持
R114 IS歪み
Δ +2〜+5p
GBPUSD H12 +4.89・median追従
R115 Val
−2.2〜−3.6p
独立再現で逆符号
R117
No Edge
価格プロキシの壁

01狙い — レジームが変わった瞬間の歪みを取る

Discovery Engineの原則⑤は「レジーム変化直後だけの歪みを抽出する」ことです。市場が静かな状態から荒れる状態へ切り替わった最初の一手には、まだ織り込まれていない方向の偏りがあるかもしれない——これを4つの検出器で探りました。R114は実現ボラが低→高へ跨いだ初バー(拡張オンセット)、R116はCUSUM(累積和)による構造変化点とトレンド転換、R117は3ペアから合成したUSDファクターのモメンタム。R115はR114の機序駆動フォローアップです。

02結果 — 一研究ずつ、別々の死に方をした

出典:RESEARCH-114/115 ほか exploration ノート / Discovery 25/26/27
研究検出器結末
R114vol拡張オンセット継続IS Δmean+2〜+5p の歪みあり → 夜間スプレッドで減衰
R115同・機序駆動セッション仮説Val 全テスト負(−2.2〜−3.6p)逆符号
R116CUSUM / トレンド転換USDJPY H24 のみ mean+ だが median 負(テール駆動)
R117合成USDファクター全セルでコスト負け(gate通過ゼロ)
R114 IS歪み約+3.5pipとR115 Val約-2.2〜-3.6pipの比較棒グラフ。IS歪みがValで逆符号に。
図:R114のIS分布歪み(Δ+2〜+5pip)は、機序駆動フォローアップR115の検証期間で逆符号(−2.2〜−3.6pip)に反転した。出典:RESEARCH-114 / RESEARCH-115。

R114だけは特筆に値します。XAUUSD(R112)がパスすら対称=歪みゼロだったのに対し、vol拡張継続は測定可能な分布の歪み(GBPUSD H12でΔ+4.89pip、median≈meanでテール非依存)を残しました。「軸は生きている」と思わせる手応えです。しかし時間帯別スプレッド(禁止①)で計算し直すと大幅減衰し、EURUSDは2022年の高ボラ単独に起因する偽陽性、GBPUSDもPF1.15・黒字年2/4に痩せました。

03崩壊の機序 — 「歪みがある」≠「エッジがある」

最も重要な教訓は、R114→R115の1サイクルで得られました。R114で観測したIS歪みを、機序駆動の事前仮説(London/NYの実需フロー)としてR115で独立に再登録・確認したところ、IS全テスト非有意・Val全テスト負で逆転しました。R114の歪みは2020–2022のレジームに特有で、2023–2024に平均回帰へ反転していたのです。

三段で理解できます——R112(XAU=歪みすら無い)< R114(歪みはあるがIS限定・OOS消滅)< 真のエッジ(R107/R086=Val>IS)。分布の歪みのout-of-sample持続(Val独立再現)こそがエッジの本体であって、IS歪みだけで興奮してはいけない(Discovery 25確定版)。

R116はさらに別の罠を見せました。CUSUM継続でUSDJPY H24が両IS半でmean+を通過したのに、median は両半とも負——少数の巨大トレンド勝ち(2022年の介入級の動き)がmeanを押し上げていただけのテール駆動でした(Discovery 24)。そしてR117は、3ペアから合成したUSDファクターが結局は同じ価格情報の変換にすぎず、広域USDはH1で効率的に価格付けされていて取りどころが無いことを示しました。

04この棄却から得た教訓

価格から作った「外部プロキシ」は、結局その価格=効率の壁を越えられない(Discovery 27)

合成USD指数も、ボラ=VIX代用も、すべて同一OHLCVの変換であり、価格効率の壁の内側にとどまる。制約は手法ではなくデータセットだった。本コーパスは価格のみ(FXペア+XAUのOHLCV)であり、真に外部の情報——金利差・COT・経済サプライズ・実VIX/実質金利——はそこに存在しない。ソースが価格である限り、どんなに加工しても「外部」にはなれない。

新しい検出器を探すときの入口ゲートも、ここで標準化された——両IS半でavg>0かつPF>1.1、かつ median も >0(Discovery 26)。レジーム特有の偽陽性(両半screen)とテール駆動の偽陽性(medianチェック)を、事前登録の前に同時に弾く二重ゲートである。

05この打ち止めが、次の扉を開けた

R114〜117は4連敗ですが、価格オンリーのレジーム/パス/ファクターという汎用現象を体系的に潰し切った建設的な打ち止めでした。「価格データの中にはもう汎用エッジは残っていない。生存エッジは一貫して特定キャリー/セッション構造(R107/R086/R044系)だけだ」という地図が完成し、研究所は非価格データパイプライン(VIX・DXY実値・US金利・MOVE)の構築へ舵を切りました。失敗の体系的な記録が、次に投資すべき場所を指し示しています。

価格の壁を越えた、その先

価格オンリーで残ったエッジは、特定のキャリー/セッション構造だけだった。

R114〜117は「価格から作るプロキシの限界」を確定させ、生き残ったのは特定の実需フローに根ざしたロジック(R107/R086/R044系)だけでした。検証を生き延びたプロダクトと、外部データ探索へ続く棄却記録をご覧ください。

検証条件: 対象=FXメジャー(EURUSD/GBPUSD/USDJPY)/ボラ拡張オンセット・CUSUM・トレンド転換・合成USDファクター 4研究/両IS半×median二重ゲート・時間帯別スプレッド適用・OOS2025封印維持。 掲載数値はバックテスト・統計検証の実測値であり、フォワードテストは実施していません。

免責: 本ページは検証プロセスと棄却記録の開示を目的とした研究ノートです。投資助言ではありません。バックテスト結果は過去データに基づくものであり、将来の利益を保証しません。FX取引には元本割れのリスクがあります。図表はすべて実データ(検証レポート)からの再描画であり、生成AIによる作画は含みません。