ゴトー日(5の倍数の日と月末)は、輸入企業などの決済が集中し、東京9:55の仲値に向けて実需のドル買い(USDJPY上昇圧力)が出やすい——これは市場参加者に広く知られた経験則です。そして「仲値で買いが出尽くした後は反動で下落する」という続きの経験則を、ポストフィックス(仲値後)SHORTとして検証しました。
主テスト(T1)はUSDJPYを仲値後(00:56)にSHORTし、03:55に決済。比較対照として、月末限定(T2)、EURJPY版(T3)、そして仲値前のLONG(T4)も同時に登録しました。ドリフト(一方向の地合い)を相殺するため、主統計量は D = mean(ゴトー日) − mean(非ゴトー日) を同一曜日フィルタ下で算出しています。
結果は、経験則の信奉者には意外なものでした。主テストT1の差分 D は+1.246pip(仲値後はむしろ上昇)、p=0.503、並べ替え検定 Perm p=0.261——完全なNullです。他のテストも T2(月末)p=0.919、T3(EURJPY)p=0.185 と非有意。
| テスト | 内容 | IS D | p値 | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| T1(主) | USDJPY post-fix SHORT | +1.25p | 0.503 | 逆符号・完全Null |
| T2 | 月末限定 | — | 0.919 | 非有意 |
| T3 | EURJPY版 | — | 0.185 | 非有意 |
| T4 | pre-fix LONG | +1.63p | 0.040 | IS弱有意→Val逆転で失敗 |

IS段階で非有意である以上、禁止⑦(IS非有意のものはVal/OOSで機能しても棄却)が直ちに適用され、即棄却です。OOS2025は封印したままです。
では、広く知られた仲値効果は嘘なのでしょうか。より正確には、M1の中値(mid)価格データの上では統計的に検出できない、ということです(Discovery 30)。考えられる理由は二つあります。
エッジ減衰カーブを描いても「反転」は現れず、ゴトー日も非ゴトー日も仲値後は同様に緩く上昇するだけでした。差分が無いのです。
「ゴトー日は仲値後に下がる」のような制度的フロー仮説は、まず D = mean(該当日) − mean(非該当日) が予測どおりの符号を持つかを確認してから先に進むべきである。本研究では主テストが逆符号だった時点で、勝率やPFを見るまでもなく終わっている。
唯一の肯定的痕跡はT4(仲値前LONG、IS p=0.040・4/4年同符号)だったが、これもValで符号反転(D=−0.48pip)して消えた。仮にこれを追うなら、未使用データ(別ペアEURJPYやModern Era)での1回限りのSurprise再登録(新研究ID・p閾値を半分に強化)でのみ許される。同じデータを見直して結論を変えることは禁止である。
仲値リバーサルは、検索すれば必ず出てくる有名な手法です。その有名な手法が、まともに統計検証すると差分すら出ない——これを記録に残すこと自体が、当研究所の信頼資産です。「広く知られている」ことと「統計的に再現する」ことは別物であり、当研究所は後者しか採用しません。有名・直感的なほど、検定を厳しくする。R121はその姿勢の標本です。
当研究所は、棄却した研究と同じ規律でプロダクトを検証しています。各EAの検証ランク・MT5実機の成績・正直な弱点はプロダクトページに開示しています。失敗の記録を読んだうえで、生き残った検証をご覧ください。
検証条件: 対象=USDJPY/EURJPY/仲値GMT00:55前後/主統計量 D=mean(ゴトー日)−mean(非ゴトー日)・同一曜日フィルタ/4テスト・OOS2025封印維持。 掲載数値はバックテスト・統計検証の実測値であり、フォワードテストは実施していません。
免責: 本ページは検証プロセスと棄却記録の開示を目的とした研究ノートです。投資助言ではありません。バックテスト結果は過去データに基づくものであり、将来の利益を保証しません。FX取引には元本割れのリスクがあります。図表はすべて実データ(検証レポート)からの再描画であり、生成AIによる作画は含みません。