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RESEARCH-040レジーム依存棄却 — REJECTED

機序は美しく一致した。それでもOOSPF1.02に落ちた

月末、機関投資家がポートフォリオのドル比率を調整する(リバランス)フローで反転が起きやすい——学術的な裏付けのある仮説です。USD脚のペアだけで効き、確信度の単調性まで観測され、機序の予測はISで美しく一致しました。しかしOOSでPF1.02まで崩壊。「機序が正しく見える」ことと「将来も効く」ことは別問題でした。

対象 USD系メジャー / JPYクロス対照時間軸 月末フロー反転死因 OOS崩壊・レジーム依存・検出力不足区分 棄却記録(採用せず・参考保存)
IS PF(USD脚群)
1.53–1.64
機序2予測がIS一致
OOS PF
1.02
損益分岐ぎりぎり
区分
棄却記録
採用せず・参考保存(配点内訳・判定日・対象バージョンは各レポート記載/参考値)

01仮説 — 月末リバランスという「機序のある」アノマリー

月末、年金基金やインデックスファンドは、株式・債券の値動きで崩れた資産配分を目標比率へ戻します(Melvin–Prinsの月末リバランス仮説)。この過程で為替のドル需給が一方向に傾き、月末にかけて動いたドルが月初に反転しやすい、というのが仮説です。単なる経験則と違い、誰が・なぜ・いつ売買するかという機序が明確な点が魅力でした。

機序が正しいなら、二つの予測が独立に成り立つはずです。①ドルが直接の脚になるペア(USD系)でだけ効き、JPYクロスでは弱い。②月末にかけての動き(run-up)が大きいほど、反転も大きい(確信度の単調性)。

Melvin–Prins 月末リバランス機序 —「誰が・なぜ・いつ」が言える仮説だった 月中株・債券が変動 目標配分から乖離年金・インデックス 月末:FXリバランスドル需給が一方向へ 月初:反転需給の巻き戻し ISは機序の予測どおり(USD脚のみ有効 1.64 vs 0.93・run-up単調性 ✓)——ここまでは「本物」の顔。 だが OOS 2025 は PF 1.02。月1回のイベントは6年でも n≈72 =「機序が実在しても、偶然と区別できない」。 機序の美しさは昇格根拠にならない。カレンダー系は最低10年、それでも n≈120。
図1:月末リバランス仮説の機序連鎖。機序が明確で、ISでは2つの独立予測(USD脚特異性・単調性)が両方成立した——それでもOOSとサンプル数の壁は越えられなかった。出典:RESEARCH-040(Melvin–Prins仮説の検証記録)。

02検証 — ISでは機序の予測が両方とも当たった

ISでは、機序の二つの予測がきれいに確認されました。

機序の予測がISで独立に二つとも当たる——これは普通、本物のサインです。だからこそ危険でした。

R040:IS では機序が的中(USD脚 1.64 > JPYクロス 0.93)→ OOS 1.02 で崩壊 合格目安 1.5 損益分岐 1.0 0 1.64USD脚 IS 0.93JPYクロス IS 1.02全体 OOS 機序(USD脚でだけ効く)はISで的中。だが未閲覧OOSでPF1.02=損益分岐=機序の美しさは昇格根拠にならない
図:IS PF1.53 → OOS PF1.02。機序の整合にもかかわらず、検証外期間では損益分岐ぎりぎりまで崩落した。出典:RESEARCH-040 / research040_edge_certificate.md。

03崩壊の機序 — レジームと、構造的なサンプル不足

OOSでPF1.02、ほぼ損益分岐です。ISの IS PF1.53 から大きく後退しました。原因は二つ重なっています。

第一にレジーム依存。USDJPYはBoJの金利・介入レジームに支配され、リバランスの小さな反転はその大波に埋没します。EURUSD・GBPUSDも2025年はフラットで、月末効果が現れる地合いそのものが消えていました。

第二に、より構造的な検出力不足です。月末イベントは月1回。6年でもサンプルは n≈72 しかありません。これは統計的に「効いている/いない」を判別するには根本的に足りない量です。ISで美しく見えた一致も、72点の偶然であった可能性を排除できませんでした(Discovery 9)。

04この棄却から得た教訓

「IS機序が美しく一致」しても昇格させない(OOSが王様)

機序が説明でき、その予測がISで複数とも当たる——これは強力な誘惑だが、昇格根拠にはならない。カレンダーアノマリーは必ず2025年を含むOOSで確認し、そこで崩れたら機序の美しさにかかわらず棄却する。これはRESEARCH-024(機序は確かだったが現実約定モデル近似で崩壊)と同じ罠であり、当研究所は同じ轍を踏まないためにこの規律を恒久化している。

月次イベント戦略は6年でもn≈72と過少で、検出力不足が本質的制約になる。検証するなら10年以上のデータが最低条件。equity-FXリバランス系にUSDJPY(金利・介入レジーム)を混ぜると機序が汚染されるため、純粋なUSDメジャーで再設計すべきである。

05棄却記録として残した理由

R040は棄却記録として保存しました(内部スコアは参考値。配点内訳・判定日・対象バージョンは各レポート記載であり、独り歩きさせないための参考指標です)。採用はしませんが、抹消もしません。「機序が明確で、ISでは予測が当たったが、OOSとサンプル数の壁で昇格しなかった」という典型例は、将来の月次・カレンダー系研究すべてにとっての参照点になります。長期データ(10年以上、純USDメジャー)が揃ったときの再審査(Revival)候補でもあります。失敗の質を見極めて分類することが、次の探索を速くします。

この棄却を生き延びた検証へ

棄却は、生き残ったロジックの「裏取り」だった。

当研究所は、棄却した研究と同じ規律でプロダクトを検証しています。各EAの検証ランク・MT5実機の成績・正直な弱点はプロダクトページに開示しています。失敗の記録を読んだうえで、生き残った検証をご覧ください。

検証条件: 対象=USD系メジャー(JPYクロス対照)/月末リバランス反転/IS機序確認・OOS 2025で崩壊。月次イベントゆえ n≈72。 掲載数値はバックテスト・統計検証の実測値であり、フォワードテストは実施していません。

免責: 本ページは検証プロセスと棄却記録の開示を目的とした研究ノートです。投資助言ではありません。バックテスト結果は過去データに基づくものであり、将来の利益を保証しません。FX取引には元本割れのリスクがあります。図表はすべて実データ(検証レポート)からの再描画であり、生成AIによる作画は含みません。