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RESEARCH-111過剰適合棄却 — REJECTED

IS PF3.65が、Val PF1.03に劣化した

GBPJPYのGMT20にH4ドジ(迷い足)が出たら、翌サーバー00:00で指値買い——ISでは特定パラメータ(δ=10)でのみPF3.65と合格に見えました。しかし検証期間でPF1.03(劣化比0.28)へ。約定機構そのものは健全に機能しており、問題は約定ではなくエッジ本体がシグナル側に存在しないことでした。

対象 GBPJPY構造 GMT20 H4ドジ → server00 指値死因 過剰適合(Val劣化)検証 事前登録6テスト / OOS封印維持
IS PF
3.65
δ=10/exit2h のみ・単一点
Val PF
1.03
劣化比 0.28
約定機構
健全
逆選択なし・fill中央値1分

01仮説 — 良い約定構造で、別のシグナルを救えるか

当研究所には、合成プール入りを目指していた弱エッジ COMP-079B(GBPJPY GMT20のH4ドジ→翌server00で継続を狙う)がありました。これは成行では約定不可(薄い板で高値掴み)と分かっていたため、別研究R107で実証済みのserver00 BUY LIMIT(ref−δの指値でディップを拾う)約定構造で救済できないか、と考えました。

δ(指値の深さ)を変えた6テストを事前登録。OOS2025は封印しました。問いは明快です——「優れた約定構造を移植すれば、死んでいたシグナルは生き返るか?」

02検証 — 通ったのは「ただ1点」だけだった

Bonferroni補正を通過したのは、δ=10・exit2h というたった一つのパラメータでした(IS PF3.65、avg+8.81pip、p=0.0028)。しかも望ましい性質も確認できました——δを深くするほど成績が単調に改善し(+1.66 → +5.97 → +8.81pip)、指値のfill中央値は1分、逆選択も無い。約定機構は機械的に完璧に動いていました。

図1:事前登録6テストの IS→Val。有意な#3(δ=10)は Val で崩壊、崩れない#5/#6は IS非有意——統計的有意性と独立再現を同時に満たす構成はゼロ。出典:RESEARCH111_rejection_report.md。
#δexitIS avgIS PFIS pVal avgVal PF判定
102h+1.661.320.362−5.020.46棄却(Val負)
252h+5.972.720.009−1.810.77棄却(Val負)
3102h+8.813.650.0028+0.261.03Route A通過→過剰適合で棄却
404h−0.390.970.911−5.290.71棄却
554h+3.721.350.213+1.411.09IS非有意
6104h+4.641.430.221+4.611.25IS非有意
Route A通過構成(#3・δ=10)の年別平均リターン(pip)— 2024で +0.9 へ崩壊 0 +5 +10 +9.32020 +14.52021 +6.12022 +6.72023 +0.92024 ピーク2021 +14.5pip → Val期の2024は +0.9pip(実質ゼロ)=IS過剰適合の崩壊
図2:Route A を通過した唯一の構成(#3・δ=10/exit2h)の年次分解。2021年の+14.5pipをピークに減衰し、Val期の2024年は+0.9pip=コスト後ほぼゼロ。出典:RESEARCH111_rejection_report.md。

ところが、IS PF3.65 は単一パラメータでしか成立せず、検証期間(Val、2023.08–2024)でPF1.03(劣化比0.28)、2024年は avg+0.9pip まで減衰しました。Route B(独立再現)も全config で Val p≥0.35。典型的な過剰適合です。

03崩壊の機序 — 約定は良かった。シグナルが無かった

ここがR111の本質的に重要な点です。約定機構は健全、逆選択も無い。それでも崩れた。つまり問題は約定側ではなく、シグナル側にありました(Discovery 22)。

比較対象のR107(同じ指値構造)は、検証期間でも成績が落ちないどころか Val avg+11.85pip/PF3.55 とVal>ISでした。この頑健性はどこから来ていたのか——指値という約定構造からではなく、R107のシグナル源(D1 close_pos<0.60=上昇余地のある日のキャリー実需)から来ていたのです。COMP-079B(GMT20のドジ)にはその持続的なシグナル源が無かった。だから優れた約定機構を載せても、ドリフトが消えれば一緒に死にました。

結論として、COMP-079Bは成行不可に加えてドリフト自体がレジーム脆弱と判明し、合成プールから除外。R107系(server00-carry)の3本目の部品をCOMP-079Bで作る計画は、ここで打ち止めになりました。

04この棄却から得た教訓

エッジの本体が「シグナル源」か「約定構造」かを切り分けよ(Discovery 22)

「実証済みの優れた約定構造を別シグナルに移植すれば救済できる」は危険な仮説である。約定機構は移植できても、エッジの持続性(Val再現)はシグナル固有。約定だけ良くても、ドリフトが消えれば死ぬ。

そして、IS有意×Val崩壊と、IS非有意×Val非崩壊が混在したら、後者を「生存」と誤認してはならない。崩れる山が無いだけである。統計的有意性ゲートと独立データ再現ゲートを同時に満たすconfigが一つも無ければRejected——R111はそれがゼロだった。OOS2025は一度も開封せず棄却している。

05姉妹研究R108と合わせて読む

R111は「約定構造の移植」をシグナル側から否定し、姉妹研究R108は同じことをセッション移植の側から否定しました。二つの独立した棄却が、同じ Discovery 21/22 を別角度で裏付けています。「良い約定は移植できるが、エッジは移植できない」——この一行を、当研究所は二度の失敗で確かめました。

この棄却を生き延びた検証へ

棄却は、生き残ったロジックの「裏取り」だった。

当研究所は、棄却した研究と同じ規律でプロダクトを検証しています。各EAの検証ランク・MT5実機の成績・正直な弱点はプロダクトページに開示しています。失敗の記録を読んだうえで、生き残った検証をご覧ください。

検証条件: 対象=GBPJPY/GMT20 H4ドジ → server00 BUY LIMIT(ref−δ)/事前登録6テスト・Bonferroni通過はδ=10/exit2hの単一点のみ・OOS2025封印維持。 掲載数値はバックテスト・統計検証の実測値であり、フォワードテストは実施していません。

免責: 本ページは検証プロセスと棄却記録の開示を目的とした研究ノートです。投資助言ではありません。バックテスト結果は過去データに基づくものであり、将来の利益を保証しません。FX取引には元本割れのリスクがあります。図表はすべて実データ(検証レポート)からの再描画であり、生成AIによる作画は含みません。