当時の生き残り研究は、ほぼ全て「月曜GMT01:00 JPYキャリー再開ファミリー」に集中していました。 一つの現象に依存した会社は、そのレジームが消えれば全滅します。 「ファミリー外の本物のエッジが存在するか」を組織的に検証するため、6つの独立した仮説空間を設定し、 各研究で事前登録・内部Bonferroni補正・OOS封印のプロトコルを適用しました。
探索空間:M15セッションパス形状のクラスタリング(R102)、クロスペア乖離の平均回帰(R101)、 オプションカット時刻のピン止め解放(R103)、GMT02〜04の逆流SHORT(R104)、 USDJPY D1連続モメンタム(R105)、前日引け位置フィルター(R106)——全て独立した機序仮説です。
個別の検証結果を示します。全6研究でGate 3(Edge Certificate)が発行されませんでした。
| 研究 | 仮説概要 | 最良候補 | IS avg | Val avg | 主な死因 |
|---|---|---|---|---|---|
| R101 | H1クロスペア乖離×源泉分解 | div継続(逆方向) | −2.7p | −3.1p | 回帰せず継続・Val以降消滅 |
| R102 | M15パス形状 k-means(8クラスタ) | AsiaLondon C2 LONG | +5.7p | +6.7p | Bonferroni僅差落ち(p=0.0037 vs 閾値0.0031) |
| R103 | オプションカット(GMT06/14/15/16) | ピン止め後解放LONG | +3〜4p | 逆転 | Val消滅・ピン止め逆効果 |
| R104 | GMT02〜04巻き戻しSHORT | 全テスト | ≈0p | ≈0p | ドリフト皆無(GMT01フローは巻き戻されない) |
| R105 | USDJPY D1継続モメンタム | F2b(連続2本DOWN→SHORT) | +16p | 崩壊 | IS p>0.05(非有意)・Val崩壊 |
| R106 | 前日引け低位位置(g0_pos<0.40)全日 | F3b | +7〜8p | 月曜除外でIS消滅 | 月曜キャリー効果で汚染(RESEARCH-086の変装・未公開) |
6研究の死因を横断分析すると、一つのパターンが繰り返し現れました。 IS期間(2020-01〜2023-07)では統計的に有意、またはそれに近い成績——しかしVal期間(2023-08〜2024)で崩壊または消滅。
R101の「H1乖離継続」はIS p=0.00006で逆方向に有意だったが2023年以降消滅。 R103のオプションカット効果はVal期間で方向が逆転。R105の+16pip D1モメンタムはVal崩壊。 唯一ValがISを上回ったR102さえ、クラスタ出現率が3.3%まで低下(IS 7.9%)しレジーム依存の懸念が残りました。
「IS有意→Val消滅」という死因が6研究で繰り返されたことは、単なる「エッジなし」ではありませんでした。 これは当研究所のIS期間設計の問題でした。IS=2020年起点の固定分割では、 2023年以降に誕生した構造はISで死に、禁止⑦が自動処刑します。新レジームのエッジが原理的に発見不可能だったのです。 この全滅は 統計制度v2(Era選択制・2経路Gate)の直接の引き金になりました。
102テスト中、最も惜しかったのはR102のAsiaLondon C2(アジアセッション特定形状 → GMT07:00 LONG)でした。 IS p=0.0037(Bonferroni閾値0.0031の僅差落ち)、ValがIS平均を上回る+6.70pip—— 見た目には「再現性あり」の結果です。
旧制度では棄却されました。しかし制度改革後のv2-1「Route B(再現経路)」では、 「ISでFDR通過 かつ ValでN≥15・同符号・p<0.05」を満たせば別経路でGate 3通過が認められます。 R102はv2制度下では再審査対象(Revival Officer候補)として記録されています。
ただし当時の棄却は正しいプロトコル適用でした。重要なのは、このギリギリ棄却を記録し、 制度改善後の再検証に活かせるよう保存しておくことです。
v2-1 Gate 3への2経路制:IS Bonferroni通過(Route A)に加え、IS FDR通過 かつ Val独立再現(Route B)でもCertificate発行可。
v2-2 Era選択制:IS=2020年起点の固定分割を廃止。機序の事前理由付きでIS期間(Full/Modern)を選択可。
v2-5 仮説台帳:グローバル仮説台帳でファミリー単位累積テスト数を管理。曖昧な「3回以上の疑い」を廃止し台帳FDRへ。
この全滅は「時間の無駄」ではありませんでした。 「月曜キャリー再開以外の H1日中系エッジは2020-2024では存在しない(少なくともこの探索空間では)」という ネガティブな発見は、それ自体が非常に価値ある知識です。
さらに重要なのは、6研究・102テストが全てOOS 2025を封印したまま終わったことです。 もしOOSを開けていれば、一部のVal期間消滅候補が「OOSでたまたま復活した」可能性があり、 その場合は結果の解釈が汚染されていました。プロトコルの正直な適用が、この記録を信頼できるものにしています。
この探索空間で生き残ったのは、結局「月曜GMT01 JPYキャリー再開」ファミリーだけでした。 102の失敗がそのロジックの稀少性を確認しました。検証済みプロダクトの詳細はプロダクトページで。
検証条件: プラットフォーム=Python(MT5 Strategy Tester照合(トレード単位照合)はGate B未到達のため未実施)/対象=GBPJPY・EURJPY・USDJPY ほか(研究ごと異なる)/ 期間=IS 2020-01〜2023-07 / Val 2023-08〜2024-12 / OOS 2025は全研究で封印維持/多重検定補正=研究内Bonferroni(各研究事前登録テスト数で補正)。 掲載した数値はすべてPythonバックテストの実測値であり、MT5 Strategy Tester照合(トレード単位照合)・フォワードテストは実施していません。
免責: 本ページは検証プロセスと棄却記録の開示を目的とした研究ノートです。投資助言ではありません。 バックテスト結果は過去データに基づくものであり、将来の利益を保証するものではありません。FX取引には元本割れのリスクがあります。 図表はすべて実データ(検証レポート)からの再描画であり、生成AIによる作画は含みません。R103/104/105/106の近似値(〜p表記)は棄却レポートの記述から算出した推計値です。